Platform Engineering Kaigi 2026のキーノートスピーカー、Kaspar von Grünberg氏とセッションの注目ポイントを解説します。

Kaspar von Grünberg氏登壇!PEK2026キーノートの注目ポイント

著者: Azuma
Event キーノート

こんにちは、PEK2026実行委員のAzuma(@azuma_alvin)です!

あっという間に、9/26(土)の開催まで残り1ヶ月を切りました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

先日タイムテーブルを公開しましたが、3年目となる今年も多数の魅力的なプロポーザルの中から厳選されたセッションと、業界をリードするスポンサーセッションが出揃いました。

そして今年のPEKを語る上で欠かせないのが、イベントを彩るキーノートセッションです。今回はなんと『Thinking in Platforms』の著者であり、PlatformCon(Platform Engineeringに特化した世界最大級のカンファレンス)の創設者でもあるKaspar von Grünberg氏にご登壇いただきます。

Kaspar von Grünberg氏

セッションタイトルは『Architecting Agentic Development Platforms』。AIエージェント時代のプラットフォームを問い直す、まさに今回のイベントに相応しいテーマです。

この記事では、参加者の皆さんがキーノートセッションを最大限に楽しみ、より多くの学びを持ち帰るためのポイントを紹介します。当日はキーノートセッション内のQ&Aタイムだけでなく、さまざまな形でKaspar氏と交流できる企画も用意しています。この記事を参考に、どんな質問を投げかけようかぜひ考えてみてください!

Platform Engineeringという分野を理論と実践の両面でリードするKaspar氏とは一体どんな人物なのか?

Kaspar氏を紹介する上で、まず欠かせないのがPlatformConの共同創設者の一人であるという点です。

PlatformConは2022年から毎年開催されている、Platform Engineeringに特化した世界最大級のカンファレンスです。Platform Engineering Kaigiの歴代キーノートスピーカーであるManuel Pais氏(PEK2024)、Nicki Watt氏(PEK2025)をはじめとして、この分野を牽引するリーダーたちが実践的な知見を共有しています。Kaspar氏はそのカンファレンスの共同創設者であるだけでなく、多くのセッションに登壇し続けている実践者でもあります。

本イベントのキーノートスピーカー候補を選出する際にも、我々はPlatformConのアーカイブ動画を大いに参考にしました。Kaspar氏のセッションはこの分野の先駆者として理論と実践の両面で非常に説得力があり、参加者を引き込むプレゼンテーションにも大きく感銘を受けました。Kaspar氏なら日本のPlatform Engineeringコミュニティに必ず新しい知見をもたらしてくれると確信しています。

百聞は一見に如かず。PlatformConのKaspar氏の登壇の中でも、特に印象的だったセッションのアーカイブ動画を共有させてください。なぜ我々がキーノートセッションをKaspar氏にお願いしたのか、その理由を分かっていただけるはずです。

さらにKaspar氏は、Luca Galante氏(同じくPlatformConの共同創設者)と共にAI時代のPlatform Engineeringの実践モデルをまとめた『Thinking in Platforms』という書籍を出版しました。

Thinking in Platformsの書影

私も発売日に購入し、現在半分ほど読み進めています。これまでいくつかの関連書籍を読んできましたが、『Thinking in Platforms』は著者らの深い経験を活かし、理論から実践までを全く新しい切り口で体系化した一冊だと感じました。この書籍については、記事の後半で改めて紹介します。

本記事ではPlatformConと『Thinking in Platforms』という2つの側面に絞って紹介しましたが、Kaspar氏はこれ以外にもHumanitecやPlatformEngineering.orgをはじめとする企業の立ち上げから、大企業でのPlatform Engineeringの実践まで多彩なキャリアを積まれています。もっと詳しく知りたいという方はKaspar氏のWebサイトをご覧ください。

それでは、PEK2026に参加する私たちの目線で、Kaspar氏のセッションから何を得られるのかに話を戻しましょう。

「AIをプラットフォームにどう組み込むか」という課題に対し、Kaspar氏のセッションから参加者は何を得られるのか?

カンファレンスの参加動機は十人十色ですが、日々の業務や組織の課題に対して「何か一つでもヒントを持ち帰りたい」と感じているなら、PEK2026のキーノートはこれ以上ない学びの場になるはずです。今年のキーノートセッションとして、Kaspar氏に『Architecting Agentic Development Platforms』というテーマでお話しいただきます。

AI時代において、Platform Engineeringの重要性が高まっていることは、皆さんも既にご実感の通りかと思います。これは、本イベントの応募セッションの傾向にも顕著に表れています。前回のPEK2025では「AIによってプラットフォームの能力をどう解放するか」というテーマが主流でした。しかし今回のPEK2026の応募セッション一覧を通読して感じたのは、「AIを利用者として捉え、プラットフォームをどう再設計するか」へと全体の関心が大きくシフトしているということです。

プラットフォームにおいて、AIは「能力」としても「利用者」としても重要です。しかし現在、組織のアウトカムのボトルネックになりつつあるのは後者ではないでしょうか。

この1年でAIエージェントの精度は飛躍的に向上し、より自律的な開発を任せられるようになりました。裏を返せば、それは「AIエージェントを安全かつ効率的に受け入れるためのプラットフォーム側の備え」が急務になっていることを意味します。私自身も日々の業務の中でこの壁を痛感しており、今回のセッションから大きなヒントが得られると確信しています。

Platform Engineeringの先駆者であるKaspar氏は、著書『Thinking in Platforms』の中で、AIがプラットフォームに与える影響を「利用者(User)」「インターフェース(Interface)」「能力(Capability)」の3つのレイヤーに分けて整理しています。単なるツール論にとどまらない、この高い視座こそが彼の強みです。

we explore how AI impacts platform engineering on three layers: as a user of the platform, an interface to the platform, and a capability within it.

だからこそ我々はキーノートの内容を相談する中で、AI時代に機能するプラットフォームを再定義する「Paths to Outcome model」と、既存のIDP(Internal Developer Platform)を進化させた「Agentic Development Platforms(ADP)」について包括的にお話しいただけるように依頼しました。まさに本イベントのテーマ「AI Native Platform Engineering」の核心を突く内容です。

キーノートは初めて見る方を想定して構成してくださるため、事前の準備は全く必要ありません。ただ、「Paths to Outcome modelやADPについていち早く予習したい」「当日の質問を練っておきたい」という熱量の高い方は、PlatformConのアーカイブ動画をぜひチェックしてみてください。


ちなみに、ADPのアーカイブ動画の中で特に印象的だったのは、3層のリファレンスアーキテクチャにおいて、2層目のPath(通り道)を「Probabilistic(確率的)」「Deterministic(決定的)」「Hybrid(ハイブリッド)」の3種類に分類している点です。当日のセッションでも改めて解説されるはずですが、Kaspar氏の解像度の高さを垣間見ることができる必見の内容です。

Kaspar氏と一緒にAI時代のプラットフォームを改めてモデル化し、Why / What / Howを一貫して考えてみませんか。当日をお楽しみに!

キーノートの聴講だけでなく、当日Kaspar氏に直接質問したり交流したりする機会はあるのか?

「Kaspar氏と直接話せるのか?」「日本語でも質問できるのか?」と気になっている方も多いはずです。現在鋭意準備中ですが、当日は大きく分けて3つの関わり方をご用意しています。

  1. キーノートセッションでのQ&A(現地&オンライン)

    60分間のセッションのうち、約15分をQ&Aタイムとして確保しています。Kaspar氏の登壇は英語ですが、今回はAI同時通訳ツール「Cuckoo」を導入します。会場スクリーンやお手元のデバイスから、日本語のライブ字幕でリアルタイムに内容を追うことができます。

    質問は昨年同様「Slido」を使用します。参加者が日本語で入力した質問が、自動で英語に翻訳されてKaspar氏へ届く仕組みを検討中です。言語の壁を感じずに白熱した交流ができるよう実行委員が全力でサポートしますので、ぜひたくさんの質問をお寄せください!

  2. 『Thinking in Platforms』サイン会での交流(現地のみ)

    現在、Kaspar氏の著書『Thinking in Platforms』のサイン会を計画中です。当日の書籍販売も予定していますが、すでに購入されている書籍のお持ち込みも大歓迎です。事前にじっくり読み込んでからKaspar氏に直接感想を伝えたい方は、ぜひ以下よりお求めください。

  1. 休憩時間や懇親会での交流(現地のみ)

    当日のスケジュール次第にはなりますが、Kaspar氏は懇親会にも参加される予定です。「参加者との交流は大歓迎!」と非常に嬉しいお言葉をいただいています。以前、我々実行委員とビデオ会議でお話しした際も、とても気さくでフレンドリーな方でした。当日はバイリンガルの実行委員がKaspar氏に帯同します。英語に不安がある方も、近くの実行委員を捕まえてぜひ気軽に声をかけてみてください!

※ サイン会や懇親会での交流は【現地参加限定】となります。執筆時点では現地チケットにまだ余裕がありますので、Kaspar氏と直接交流したい方はぜひお早めにご購入ください。

まとめ

この記事を通じて、Kaspar氏に聞いてみたいことや議論したいアイデアが湧いてきた方も多いのではないでしょうか。参加者の皆さんがキーノートを最大限に楽しみ、ご自身の組織の課題解決に繋がるヒントを一つでも多く持ち帰るための参考になれば幸いです。

Kaspar氏との交流企画の確定情報や、今後のイベントアップデートは公式X(旧Twitter)を中心にお知らせしていきます。ぜひフォローして最新情報をチェックしてください!

それでは、当日皆さんとお会いできることを心より楽しみにしています!